胸を張ってファンと言いたい

胸を張ってファンと言いたい


 先日、「美少女戦士セーラームーンミュージアム」に行ってきた。
 私はセーラームーンの世代がではないが、毎週レンタルビデオを借りてきては、食い入るように戦士たちの戦いを観たまさに『自分の原点』。
 そんなセーラームーンの世界で埋め尽くされた展示室で、私は幸せをかみしめていた。

 ただ、正直言うと話の内容は全く覚えてないし、実写ドラマとミュージカル(セラミュ―)にいたっては一度も観たことがない。
 オープニングや変身シーンを観ると「そういえばこうだった~!懐かしい!」と思い出すけど、他のシーンは全くと言っていいほど思い出せない。
 周りの人たちは「このシーンのあの人のセリフが良くて……」とか「このシーズンのこれが大好きで……」と目を輝かせながら展示を眺めているのに、自分は「よく覚えてないけど、とりあえずセーラームーン最高」ぐらいの感想しか出てこなかったのが少しだけ辛い。

 話を全部覚えててグッズもある程度持ってないとファンじゃない!みたいな人がはびこっている世界ではこんな話絶対にできないなあ。

 たぶん今いる展示室には、「セーラームーン1㎜も分からんけどスゲー」みたいな人が1人はいるとおもう。
 でも私は確かにセーラームーンが大好きで、オープニングテーマの「ムーンライト伝説」を聴いただけでも涙が出てくるほどだ。

 そういう人と一緒にされるのはなんか癪だ。

 私はつくづく面倒くさい人間だなあと思いつつ、せっかくだから一からアニメ(もしくは漫画)を観直そう。

 次また展示会があったときは、正真正銘のファンとして鑑賞したい。
 そう思う一日だった。